矯正コラム

乳歯はすきっ歯でもいい?乳歯の歯並びについて

2017年10月31日 (火)

子供の乳歯が生えそろうと、気になってくるのが歯並びです。「うちの子、すきっ歯だけど大丈夫かしら?」と不安に感じる保護者の方も少なくないでしょう。

そこで今回は乳歯の歯並びの特徴や、乳歯の歯並びで気を付けておきたいことなどについて、詳しくご紹介したいと思います。

すきっ歯は問題なし?乳歯の歯並びの特徴

すきっ歯は問題なし?乳歯の歯並びの特徴
乳歯は生後8か月ごろから生え初め、3歳頃にすべての乳歯が生えそろいます。その後永久歯が生え始める6歳頃まで、乳歯だけの歯並びが続きます。

乳歯は本数や形態など永久歯と異なる点が多く、それは歯並びにも影響しています。それでは乳歯の歯並びにはどのような特徴があるのか、以下で詳しく見ていきましょう。

●乳歯は永久歯より歯の本数が少ない

永久歯は上下左右合わせて28本(親知らずを入れて32本)の歯がありますが、乳歯は20本しかありません。そのため、永久歯の歯並びはU字型の曲線を描きますが、乳歯の歯並びは半円型の曲線を描きます。

●上下の前歯が先端で咬み合う

永久歯は上の前歯が下の前歯よりもやや前方に位置し、上の前歯が下の前歯を少し覆うように咬み合います。一方の乳歯は上下の前歯はほぼ同じ場所に位置し、互いの先端同士で歯が咬み合います。

●すきっ歯になりやすい

乳歯と永久歯の歯並びで大きく異なるのは、乳歯は歯と歯の間に隙間が多く、すきっ歯になりやすい点です。これは生え初めのころからそうである場合もあれば、4~5歳頃から徐々に隙間が増え始める場合もあります。

子供のすきっ歯を不安に思う保護者の方も多いのですが、この隙間は乳歯の歯並びの特徴の1つなので心配はありません。むしろすきっ歯である方が、今後の成長においては都合が良いのです。

なぜなら乳歯の後に生えてくる永久歯は乳歯よりも幅が大きいため、乳歯が抜けたスペースだけではうまく生えそろうことができないからです。そこで永久歯は乳歯の歯と歯の間にある隙間をうまく利用して、あるべき場所に生えそろうようになっています。

乳歯の歯並びは矯正したほうが良い?

乳歯の時期はまだまだ成長段階であり、その先歯並びも大きく変化していきます。そのため乳歯の歯並びが、必ずしも永久歯の歯並びに影響を与えるというわけではありません。

しかし一部の歯並びや骨格の異常は、放置しておくとそのまま永久歯の歯並びや骨格にも影響を及ぼします。以下に示すような歯並びや骨格の異常は、早期に改善を図れば永久歯への影響を未然に防ぐことができるため、矯正医に相談することをお勧めします。

●上の前歯が下の前歯をすっぽり覆っている(過蓋咬合)

先にも述べたように、乳歯の前歯は上下の先端が咬み合うようになっています。しかし上の歯が大きく前に出ている、もしくは下あごが小さいなどの骨格異常があるケースでは、上の前歯が下の前歯に覆いかぶさり、下の前歯がすっぽり覆われて見えなることもあります。
これは過蓋咬合(かがいこうごう)と呼ばれる骨格の異常で、早い時期に改善しておかないと、大人になっても過蓋咬合になる可能性があるため注意が必要です。

●下の前歯が上の前歯より前で咬み合う(反対咬合)

乳歯の前歯が先端ではなく、下の前歯がやや前にきて咬み合う状態を反対咬合(はんたいこうごう)と言います。軽度の反対咬合であれば、永久歯が生えてくる段階で正常に戻ることがあります。また、顎の大きさや位置に異常がある場合でも、早い時期に対処しておくことで正常に戻すことが可能です。

●受け口である(下顎前突)

下あごが上あごよりも大きく前に出ている受け口は下顎前突(かがくぜんとつ)と呼ばれる骨格異常で、遺伝によるもの、指しゃぶりや舌の癖によるものなど原因も様々です。

下顎前突は早い時期に改善しておかないとさらに悪化する可能性があります。また成人ではかなり大がかりな矯正治療が必要となり、治るのに時間がかかってしまいます。一方、子供のうちであれば顎の成長を利用しながら骨格の大きさを改善することができるため、早い時期に対処しておくほうが得策です。

乳歯の歯並びを悪くする癖や習慣

乳歯の歯並びを悪くする癖や習慣
乳歯の歯並びは遺伝的な要因以外に、普段の生活で何気なく行っている習慣やクセの中にも悪い影響を及ぼすものがあります。

●指しゃぶり

指しゃぶりは、期間が長引くと歯並びや顎の成長に影響します。例えば上の前歯が前に出てしまう出っ歯や、奥歯を咬み合わせても前歯が咬み合わない開咬(かいこう)といった歯並びの異常などが当てはまります。

ただ指しゃぶりは小さな子供の自然な行為であり、3歳頃まではあまり神経質になる必要はありません。通常は保育園や幼稚園を通いだす頃に、指しゃぶりをする時間も減っていきます。

しかし4~5歳になっても頻繁に指しゃぶりを行う場合は要注意です。あまり長引く指しゃぶりは、保護者の方が声かけする、指しゃぶり以外の事に集中させるなどして、改善するように努めましょう。

●口呼吸

本来呼吸は鼻で行うものですが、口で呼吸をしてしまう口呼吸は長引くと歯並びが悪くなる原因になります。

口呼吸になる原因の1つが、アレルギー性鼻炎などによる慢性的な鼻づまりです。このようなケースは耳鼻科で原因となる鼻の疾患を早いうちに治療しておきましょう。

鼻づまり以外で口呼吸をしてしまう場合は、口呼吸が癖になっている可能性があります。「テレビを見る時にポカンと口を開けている」など、1日を通して口を開けている時間が多いと感じる場合は注意が必要です。子供が無意識に口を開けていたら、声がけをしながら鼻で呼吸することを意識させましょう。

●舌で歯を押す・下唇を咬む・爪を咬むなどの癖

舌で歯を前にぐっと押す動作や、下唇を咬みしめる、爪を咬む、顎をぐっと前に突き出すなどの癖も、長く続けると歯並びや骨格に異常をきたします。

これらの癖も早い段階で子供に意識させて、改善していくよう促します。ただ何度言っても治らない強い癖であれば、小児科医や歯科矯正医などの専門科に対応してもらうと良いでしょう。

まとめ

乳歯が生えそろう時期はまだまだ子供の成長段階であり、今後の発育状況によって歯並びも大きく変化していきます。そのため乳歯の段階では歯並びにあまり神経質になる必要はありません。

しかし過蓋咬合や下顎前突など骨格異常のように、早い時期に対処しておくことで永久歯への影響を予防することができるケースもあります。また指しゃぶりや口呼吸などの悪習癖が長引けば、歯並びを悪くする恐れがあるため、こちらも早めに改善するよう心がけましょう。

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