矯正コラム

マウスピース矯正の直前と最中もPMTCで歯のクリーニングを

2017年11月8日 (水)

矯正治療中でも装置の取り外しができ、装置が目立たず矯正をしていることがわからないという大きなメリットから人気を集めているマウスピース矯正。それにより女性を中心に成人矯正が流行っている昨今ですが、現在マウスピース矯正をしている方は、PMTCによる歯のクリーニングは行っていますか?

矯正をしながらしっかり歯磨きができるマウスピース矯正といえど、歯磨きだけでは不十分になってしまうことがあります。今回はPMTCについてご存じない方のために、PMTCについてと、その虫歯予防の効果についてご紹介していきたいと思います。

PMTCとは?

PMTCとは?

最初に、まだ「PMTC」をご存じない方のために「PMTC」とは何なのかをご説明します。
まず「PMTC」とは、「プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング」を略したものです。その意味は「歯科衛生士や歯科医師といった専門家による機械的な歯の掃除であり」、まさにプロによる歯のケアに他なりません。

またクリーニングの際はさまざまな道具を使い、普段の歯磨きではなかなか取れない部分に付着した歯石やプラーク、そして歯の表面についた茶渋やステインなどを除去します。それにより患者様のセルフケアと合わせて継続的に行うことで歯の健康を維持していくことを目的としています。

実は、虫歯や歯周病から歯を守るには家で行う歯磨きだけでは不十分であり、「PMTC」も行うことで初めて歯石やプラークの付着を最小限に抑えることができます。それを続けていくことで将来的な虫歯や歯周病の予防につながり、年を重ねても健康的な歯を保つことができるのです。

特に高齢化社会が問題となっている今の日本では、高齢者の方々が病気にならずに健康的な生活が送れるようする対策が行われています。「8020運動」でも言われているように、健康的な生活には健康な歯が不可欠です。そのため歯を健康的に保つことができるよう毎日の歯磨きだけでなく「PMTC」も一緒に行うことが重要であると訴えられています。

歯石除去とPMTCの違い

歯周病の治療のひとつである歯石の除去と「PMTC」の違いは何なのだろうと思うかもしれません。歯のクリーニングには、保険適用の歯周病の検査と一緒に行う歯石の除去と保険適用外の「PMTC」の2種類があります。どちらも歯のクリーニングに変わりはないのですが、厳密に言うとこの2つにはクリーニングの目的の違いがあります。

保険適用で行っている歯石の除去は、あくまで歯周病の治療の一環として行われています。歯石の除去は歯周病の治療であると同時に歯周病の予防に最も効果的な治療でもあるためです。

対して「PMTC」の場合、歯石だけでなく歯の表面に付着した着色やバイオフィルムと呼ばれる歯垢の付着の原因となるものまで徹底的に除去します。歯石の除去にプラスして、歯面清掃が加わります。これは治療によって行われているのではなく、虫歯や歯周病の予防を目的として行われます。予防を目的とした治療はまだ保険の適用が認められていないため、歯石の除去は保険適用とされているのに対し、「PMTC」は保険適用外とされています。

なぜPMTCをするべきなのか?

なぜPMTCをするべきなのか?

「PMTC」について説明いたしましたが、ここでこれからマウスピース矯正をはじめるという方、そして現在矯正をしているという方にぜひお伝えしたいことがあります。矯正をはじめる直前と矯正の最中には、定期的な「PMTC」を行うことをおすすめしております。

●マウスピース矯正でも虫歯のリスクはあがる

装置を取り外しでき、それにより歯磨きを十分に行うことができるマウスピース矯正ですが、それで必ずしも虫歯が予防できるとは限りません。その理由は、マウスピース矯正は装置の取り外しができるという前に、最低でも20時間以上装置をつけていなくてはいけないという決まりによるものです。それにより装置をつけている時の歯は、食事と歯磨きをする時以外を除き常に密封されているような状態になります。この時、唾液に触れることができない歯は、唾液からミネラルを吸収する再石灰化が十分に行うことができません。

すると食後に脱灰(ミネラルが溶け出てしまう状態)をした歯が何時間経っても再石灰化できない状態が続き、それにより虫歯になりやすい状態が継続的に続きます。そこに歯磨きが十分に行われていなかったりすると、プラークがたまりやすい歯と歯のあいだなどに虫歯ができてしまい、それに気づかず過ごしてしまって大きな虫歯になることもあります。そういった事態を避けるために「PMTC」がとても効果的なのです。

まず矯正をはじめる前に「PMTC」を行えば、次の歯のクリーニングまでのあいだ虫歯の心配をすることなく矯正治療に集中することができます。さらに継続的に矯正の最中に「PMTC」を行うことで、虫歯のリスクの上昇を防ぐことができるため、健康的な歯を維持したまま矯正を終えることができます。

虫歯の予防にもつながる矯正をして歯を虫歯にしてしまっては本末転倒になってしまうので、油断をせずに毎日の歯磨きと「PMTC」を合わせて行うことを推奨いたします。

●PMTCで歯に何もついていない状態を体験できる

「PMTC」はまさに徹底した歯の掃除であるため、歯に付着しているものすべてを取り除くことができるのです。歯の表面には毎日の生活でついてしまった食べ物や飲み物の色だけでなく、そういったものがついてしまう原因でもあるバイオフィルムが常に付着しています。

バイオフィルムは歯に唾液が付着することで必ずついてしまうものであり、目には見えませんがどんなに一生懸命歯を磨いても取り除くことはできません。しかし「PMTC」ではさまざまな歯磨剤やブラシを使用して歯の表面を磨くことにより、歯の着色だけでなくバイオフィルムまできれいに取り除いてしまうことができるのです。

そうすると初めて歯に何もついていない状態を体験することができ、一度その感触を心地良いと感じると毎日の歯磨きだけでは満足できなくなってしまうことでしょう。バイオフィルムは時間が経つとどうしてもふたたび付着するため、2ヶ月から3ヶ月に一回のペースで「PMTC」を行うことをおすすめします。

PMTCが矯正に影響することはありません

一部ではPMTCをやりすぎてしまうことで歯の表面が削れてしまい、それによりマウスピース矯正に影響してしまうのでは、と思う方もいるようです。しかし、決してそのようなことはなく、実際にPMTCを継続的に行いながらマウスピース矯正をしている方もいます。

むしろ「虫歯にするものか」とむきになって力強く歯磨きをしてしまうことの方が却って歯を削ってしまうおそれがあるくらいです。そのようなことにならないよう、ぜひPMTCを受けられることをおすすめします。

銀座矯正歯科でも矯正をしながらPMTCを受けていただくことができますので、ご希望の患者様はぜひお気軽にお声かけいただければと思います。また矯正治療をご希望の方も、ぜひお気軽にご相談下さい。

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