矯正コラム

マウスピース着用を忘れた!?期間は伸びるの?後戻りするの?

2017年05月25日 (木)

矯正治療のほとんどを患者自身が管理するマウスピース矯正。食事と歯みがきの時以外はなるべく装着することをしっかり守っていれば矯正は滞りなく行われていきます。しかし、時と場合によってはつい装置をつけ忘れてしまうこともあるかと思います。また問題となるのは、もし装置をつけ忘れてしまった場合に治療の計画にはどのくらい影響するのかということです。歯は矯正装置を外してしまうと後戻りを始めてしまいます。装置をどれくらいの期間つけ忘れていたかによっては、ある程度治療のやりなおしになってしまうかもしれません。では装置をつけ忘れた場合、歯はどのくらい後戻りしてしまうのでしょうか。

歯は動き続けている

歯は動き続けている

歯を矯正している時に限らず、歯は常に動き続けているということはご存知でしょうか。矯正治療が終わったあとに以前の歯並びに戻ってしまうことがあります。それが証拠です。

しかしその動くスピードは非常にごくわずかであり、何ヶ月もかけてようやく1ミリ、2ミリ程度の移動です。それも長い年月をかけることで4ミリ、5ミリの移動となり、歯は矯正が終わったあとに比べて明らかに違う位置に移動していると実感するのです。

つまり矯正治療の途中であれば、装置をつけ忘れることにより当然その直後から歯は後戻りを開始します。また、歯が後戻りをしやすい時期は矯正が終わってから1年くらいの頃であり、歯が後戻りをしなくなるのは装置で歯を固定し続けて2年くらい経ってからです。

それほど歯と歯の骨は安定するのに時間がかかり、油断をすると元の位置に戻ろうとしてしまうのです。ちなみに矯正後の後戻りは固定不足の影響だけとは限りません。誤った舌の使い方をしている場合、それにより整えた歯並びが壊れてしまうこともあります。

誤った舌の使い方とは、物を飲み込もうとする際に上下の前歯のあいだを舌先で押してしまったり、食事も会話もしていない時の舌を下顎に落とした状態であったりなどです。

正しい舌の動きの場合、物を飲み込む時は舌先を動かさず上の前歯の裏についている状態であり、特に何もしていない時は舌全体を上顎につけた状態になります。これを自覚している人は少なく、歯並びの異常などから指摘されることがほとんどです。この舌の癖はトレーニングをすることで改善することができ、それだけで矯正をしなくても歯並びが変わることもあります。

それくらい歯は日々動き続けており、せっかく矯正をしても油断をすると治療のやりなおしになってしまうということがあるのです。

どれくらい後戻りするのか?

後戻りの速度にはある程度の個人差があり、通常よりも後戻りが早い人もいれば遅い人もいます。そのため一概にどの程度後戻りすることになるという予想をすることは難しく、結果から見て歯の移動が早いか遅いかを判断するしかありません。

しかし、マウスピースをつけ忘れた期間が何日もあるわけでなければ矯正の治療計画に大きな影響が出ることはあまりありません。もしつけ忘れたとしても、通常であれば大抵その日のうちに気づくことの方が多いかと思います。またマウスピースをつけていないことにより落ちつかない気持ちになったり、不安になったりすることと思います。

それにより20時間以内にできるだけ早く装置をふたたびつけるようにすれば、歯が大きく後戻りする可能性は極めて低いと言えます。またもし後戻りをしているとしても、装置をつけた時に少しきつく感じる程度であると思います。

また歯の移動は歯の骨がやわらかいほど早いものです。成人をして体の成長が止まればある程度歯の骨も硬くなってきていると言えます。その影響により歯の移動も子供の頃よりは遅くなりますから、やはりすぐに歯が大きく後戻りすることは考えづらいことであると言えます。さらに歯の後戻りは、矯正を始めたばかりの頃よりも矯正をしてからある程度の期間が過ぎた頃の方が起きやすいものです。

そのため矯正を始めてまだ1、2ヶ月程度であれば、歯の後戻りは起きにくく、矯正を続けて半年やそれ以上の期間が過ぎた場合の方が歯は後戻りすることが予想されます。つまり矯正生活にようやく慣れ始めた頃であれば後戻りの心配はなく、矯正期間がだいぶ過ぎた頃から後戻りに警戒をするべきということです。

つい装置をつけ忘れてしまうと慌てることが多いかと思われますが、何日も経っていなければ大きな影響はなく、矯正を始めたばかりの頃であればあまり心配はいりません。むしろ矯正の後戻りを心配するべきは、矯正をはじめて長い期間が過ぎている頃の装置のつけ忘れをしてしまった時の場合です。

装着時間も重要

装着時間も重要

装置をつけ忘れたことによる歯の後戻りには当然気をつけなければいけませんが、それ以上にマウスピースの装着時間にも気をつけなくてはいけません。マウスピース矯正のメリットでありデメリットでもある装置のつけ外しが可能であるというポイントは、歯の移動にムラが起きやすいということを意味しています。

そのためマウスピースを20時間以上装着していることを義務付けられており、それをしっかり守らないと計画どおりに矯正を進めることはできません。矯正が進んでいないということは後戻り以前の問題であり、それにより治療期間が延びてしまう可能性の方が大きいと言えます。

また、もし装置をつけ忘れてしまっても後戻りの影響を感じない場合はしっかり矯正ができていないという可能性も示唆しています。つまり装置をつけ忘れて歯が後戻りをするということは、逆に言えばしっかり矯正ができているという証拠にもなるというわけです。

そのためマウスピースは食事と歯みがきの時以外はなるべくしっかりつけるようにし、20時間以上の装着を常に心がけるようにしましょう。また装置のつけ忘れよりも、毎日の装着時間を守らなかったことやしっかり矯正ができていないことの方が治療期間は延長してしまうおそれがあることを覚えておきましょう。

一度のミスより継続が重要

マウスピースをつけ忘れてしまうことは一度や二度は少なからずあるものです。しかしそれを気にするよりも、毎日正しく矯正ができているかを気にすることの方が重要です。

たった数回のつけ忘れであれば後戻りは少なく済むものの、毎日の積み重ねがしっかり行われていなければ矯正治療は進みません。しっかり確認を行いながら楽しい矯正生活を送るようにしましょう。

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