矯正コラム

一番よいのはマウスピース矯正?歯の状態に合わせた最適な歯科矯正

2017年06月16日 (金)

従来からの矯正治療に加え近年、マウスピースを使った矯正治療法が普及してきました。マウスピース矯正治療の方が、治療中の見た目も目立ちにくい上に、取り外しができるという利点があります。

いいこと尽くめの様に思えるマウスピース矯正ですが、では、どうして従来からの矯正歯科治療から完全に置換することがないのでしょうか。マウスピース矯正の特徴と従来型の矯正治療についてまとめてみました。

今までの矯正歯科治療について

今までの矯正歯科治療について

矯正歯科治療のイメージとしては、歯の表面に金属製の金具をつけて治していくマルチブラケット法という方法が、一番に思い出されると思います。これは、歯の表面にブラケットとよばれる金属製、もしくはプラスチック製、セラミック製の金具をつけます。全ての歯のブラケットの中心部にある溝にワイヤーを通して、ワイヤーの作用で歯並びを治していく矯正歯科治療法です。

アメリカで数十年前に開発され、矯正歯科治療の世界的なスタンダードな方法となっています。長い歴史が物語っている症例数の多さもあり、非常に信頼性の高い治療法です。反面、歯の表面にブラケットとワイヤーをつけるため、慣れるまで違和感が大きかったり頬や唇を傷つけたりすることもあります。食事に際して食べ物が挟まりやすいだけでなく、歯みがきもしにくくなるので、虫歯のリスクも高まります。

マウスピース矯正について

マルチブラケット法にかわる方法として、新しく開発された矯正歯科治療法です。マウスピースを使い、歯を動かそうとする矯正方法です。マウスピースはマルチブラケット法とは異なり、矯正装置であるマウスピースの取り外しが可能で、新しい物に順次切り替えて歯を動かします。マウスピース自体が、透明色に近い上に薄いので歯の形にフィットしているために、目立ちにくく、つけたときの違和感も少ないという利点があります。食事のときは、外すことにより、食べにくさから解放されますし、歯みがきもしやすくなります。

マウスピース矯正の弱点

マウスピース矯正の弱点

では、優れた矯正歯科治療法にみえるマウスピース矯正が、すべての矯正歯科治療において、マルチブラケット法にとって代わられることがないのはどうしてでしょうか。実は、マウスピース矯正には苦手な分野があるのです。

●上下方向に歯を動かすこと

歯を引っ張り出す方向に動かすことを挺出(ていしゅつ)、反対に埋める方向に動かすことを圧下(あっか)といいます。特に挺出は苦手です。挺出させるために、歯の表面にアタッチメントとよばれる小さなプラスチック製のひっかけの様なものをつけたりするのですが、なかなか難しいです。

特に大臼歯とよばれる奥歯の挺出はなおさらです。一方、圧下の場合、歯を圧下させようとすると、マウスピースには反対方向の力がかかります。つまり、歯を持ち上げる方向の力です。圧下させたい歯には下向きの力がかかる反面、残りの歯には挺出方向に力がかかってくるのです。こうした上下方向に力をかけるのは、マウスピース矯正にとって苦手とされます。

●水平方向に長い距離の歯を動かすこと

歯を傾けずに平行に動かすことを歯体移動(したいいどう)といいます。マウスピース矯正でも歯体移動は可能ですが、歯1本分くらいの長い距離を動かすのは得意ではありません。

ところで、歯の大きさのバランスと顎の骨の大きさが合わない時に、歯を抜歯することがあります。バランスが合わないというのは、すべての歯の幅を合計した数値より、歯が並ぶ顎の長さが短いという意味です。この場合、第一小臼歯とよばれる前から4番目の歯を抜くことが多いです。もちろん、条件によってはそれ以外の歯を抜くこともあります。抜歯すると歯1本分のスペースができます。このスペースを利用すると歯をきれいに並べることができるので、矯正の治療で歯を抜くことがあるのです。抜いて出来たスペースには、前後の歯を歯体移動させて歯を並べます。しかし、マウスピース矯正は、この移動距離が長い歯体移動が苦手です。特に前歯を後ろに動かすよりも、奥歯を前に動かす方が難しいです。

●噛み合せを調整すること

マルチブラケット法では、歯の噛み合せの面には何もついていませんが、マウスピース矯正法では、歯の表面全体がマウスピースで覆われます。矯正歯科治療が行なわれる前の歯並びの状態に合う様に、噛み合わせた歯の表面はすり減っています。歯の表面のすり減りのバランスがとれていないとき、噛み合せ面を調整しながら歯を動かさなければならないことがあります。マウスピース矯正は、噛み合せ面が覆われてしまうため、こうした治療は不得意です。

●外科治療が必要な矯正治療

顎変形症とよばれる顎の骨格に原因があり噛み合せが整っていない病気があります。顎変形症の場合は、まず矯正歯科治療を行い歯並びを整えた後、全身麻酔をかけて顎の骨を切って動かす手術を行ないます。そして、噛み合せを治します。

なお、顎変形症の治療は、あくまでも噛み合せの状態を良くするのが目的です。見た目を良くするために行なうものではありません。顎変形症の治療をすれば、噛み合せだけでなく歯並びもきれいになりますが、それはしっかり噛める様に歯を移動させると、それに伴い歯の位置も良くなるので、結果的に歯並びがよくなったというだけのことです。

治療開始前の顎変形症の歯並びは整っていません。そのために噛み合せが良くない状態にあります。そのままで手術をしても、噛み合せは改善出来ませんから、まず歯を動かして、手術後にきちんと噛める様な位置に歯を移動させる必要があるのです。

このとき、手術後の歯並びを想定して歯を動かしていますので、手術直前の歯並びは整え終わった後でも、受け口だったりします。そして、顎変形症の手術の後には、顎間固定とよばれる上下の歯をワイヤーやゴムで結んで繋げる歯の固定をしばらくの間行います。顎間固定をすることで、手術後の顎の骨の安静を図るのです。ところが、マウスピース矯正では、顎間固定が行なえないため、術後のことを考えると適しているとは言いにくいです。

マウスピース矯正が難しい場合は

マウスピース矯正は歯並びを治す選択肢として、メリットもたくさんあります。しかし、口腔内の状況は人によって違います。マルチブラケット法は、マウスピース矯正と比べて違和感や見た目の目立ちにくさ等は劣りますが、長い歴史に裏打ちされたマウスピース矯正の比ではないほどの非常に広い範囲に及ぶ適応があります。

前述の挺出や圧下、手術前の矯正治療など、マウスピース矯正が得意ではない治療でも、マルチブラケット法であれば矯正することが十分可能です。歯並びのがたつきなどはマウスピース矯正でも治療できる場合が多くなります。各人の歯や歯並びの状態に応じて、最適な矯正治療の方法を選ぶことが、綺麗な歯並びを手に入れるために大切になってきます。

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